パッションフルーツの魅力の一つとも云える、名前の由来についてご紹介したいと思います。
Passion Fruit (学名:Passiflora)は翻訳辞書などでは「情熱果実」と訳されることが多々あります。
しかし、本来の意味は「キリストの受難」でキリストの磔(はりつけ)のシーンと花の形状の相似性からそう呼ばれているそうです。
象徴的な花の特徴
3つに分かれた雌しべは「人の形、または十字架」を表すと記録されている説や
「打たれた釘」説があります。実際に観察してみると、雌しべが4本のものが時折出てきます。
その姿はまさに十字架そのものに見えますが、稀なのでこの雌しべは十字架に磔られたキリストとみるのが妥当ではないかと私は思います。
5本の雄しべは「打たれた釘または傷」を表すとされています。
糸状の副花冠は「棘の冠」や「鞭」という説がありますが、多くの絵画に見られるキリストの頭部から差し込む輝く光輪にも見えるような気がしますね。
パッシフローラ(トケイソウ)の種類の多くは5枚の花片と5枚の萼片が非常に類似しており、全て合わせると10枚の花片のように見えます。
これは弟子の数(10人の使徒という説ですが、一般的には12人と云われており?がつきます。)等諸説あります。
この花の花言葉が「聖なる愛(holly love)」・「信仰(faith)」・「宗教的情熱(religious fervour)」と言われているのも、まさに名前の由来から来ているのでしょう。
川平ファームのホームページでは実際に文献などに現れているパッシフローラの歴史についてもご紹介しています。 こちらからごらんください。
他の方のブログでパッションの名前の由来について調べられている方も多いのですが、なぜ「受難」と「情熱」という両極端な意味合いを持っているのかを深〜く掘り下げた田中千鶴香さん(実務翻訳者)の記事で4回に渡って考察されています。
「苦しむ」という意味のラテン語がpassionのルーツであるなら、「キリストの受難」の意味で使われるようになった経緯は容易に想像できる。だが「情熱」の意味はどこにいったのだろう。passionは一体いつから「情熱」の意味で使われるようになったのだろうか。
「意味がいっぱい -『英文教室の講義を受けて』内より-」田中千鶴香(実務翻訳者)
個人的に大変興味深く、またパッションの新たな一面を知るきっかけにもなりました。
パッションフルーツがお好きな方には、ぜひ一度読んでいただきたい内容です。
美しい歌声に魅了されて
ところで、川平ファームには直売のパーラー兼ショップがあります。
創業当時の名前は「Coccala(こっかあら)」で、現在もお店の看板として残っております。
創業以来の常連様は今でも「こっかあら」で認識されている方もいるかもしれません。
この意味は看板に彫られているようにアカショウビンの石垣方言です。
島の中でも「コッカアラ」や「コッカルー」など字(住んでいる場所)によって微妙に異なります。
いずれもこの鳥の鳴き声が由来と云われます。
3月末に南から渡ってきて、島で子育てをし、9月末頃に南に戻って行く渡り鳥です。
カワセミの仲間で、鮮やかな赤色の大きなクチバシと、飛び去る時に背中に白色と青の斑紋を持ち、朝夕透き通った声で鳴き渡るのが特徴です。
大きなクチバシでカタツムリなどを捕って、石などに叩きつけて割って食べます。
道具を使う珍しい鳥で、時折林の中からカツンカツンと殻を割る音が響いてきます。
特に川平ファームの周辺では多く見られ、季節になると店のテラスや駐車場などで見ることもできます。
同じ仲間でオーストラリアなどにいるワライカワセミは「クッカバラ ( Kookaburra )」と呼びます。
カラスと同じくらいの大きさのこの鳥は、鳴き声は違いますが名前はどことなく似ていますね。
同様に観葉植物にも「クッカバラ」があります。
この葉の形がワライカワセミの羽に似ていることからこの名がついたそうです。
植物や生物の名前の由来などを調べると、とても興味深いものがたくさん出てきます。
その話については長くなってしまうので、またいずれ・・・